レベニューシェアとは:分配の基礎・分配率・期間・費用負担
レベニューシェアは、事業から生まれた売上・利益などを、契約で決めた割合で当事者が分け合う形です。分け合う額は、何を分配の基礎にするか(売上・利益・削減額・販売収益・実施料など)、分配率、分配が続く期間、それまでの費用を誰が負担するかの4点で決まります。同じ分配率でも、基礎が売上か利益かで分け合う額が変わります。
レベニューシェアの位置づけ
用語集の「レベニューシェア」のとおり、このサイトの役割では主に「共同事業で分け合う」にあたります。成果報酬・固定報酬との違いは成果報酬・固定報酬・レベニューシェアの違い、依頼して支払う形との当事者の違いは依頼して支払う・紹介して受け取る・共同事業で分け合うの違いで扱います。
共同事業の掲載だけでなく、省エネ、環境価値、知財、コンテンツなどの領域にも、収益や削減額を分け合う形の掲載があります。この記事では、領域をまたいで分配の決まり方を比べます。
分配の基礎
| 分配の基礎 | 分け合う金額 | 掲載例 |
|---|---|---|
| 売上(収益) | 事業の売上・収益 | 共同開発・事業共創のco-Bs |
| 利益 | 売上から合意した費用を差し引いた額 | 同じ領域のProfit Share |
| 削減額 | 設備の導入などで下がったエネルギー費用 | Perfect ESCO(エスエスケイ) |
| 販売収益 | 創出したクレジットなどを販売した収益 | カーボンクレジット創出・販売支援(バイウィル) |
| 実施料 | 権利を第三者に実施許諾して得た実施料 | 企業との共同発明の取扱い(東京科学大学) |
| 販売額・純収入 | 作品・コンテンツの販売額や広告の純収入 | コンテンツ・収益分配の各制度 |
基礎が売上か利益かで、同じ分配率でも分け合う額が変わります。仮の数値で、売上1,000万円、合意した費用700万円、分配率20%とすると、売上が基礎なら200万円、利益(300万円)が基礎なら60万円です(計算方法を示すための仮の数値です)。利益を基礎にする場合は、どの費用を差し引くか(利益の定義)で額がさらに変わります。共同事業の掲載ごとの分配の基礎は共同開発・事業共創の確認点に記載しています。
掲載の例
| 掲載 | 領域 | 分配の基礎と分配率(原文) | 費用負担(原文) | 確認日 |
|---|---|---|---|---|
| Perfect ESCO(エスエスケイ) | 省エネ・環境価値 | 削減された電気料金等を事業者と分配するESCO方式。分配率・料金は非公開・要見積 | 成果分配方式では初期費用不要の方式を掲載。購入・リース等の方式は別条件 | 2026年10月18日 |
| カーボンクレジット創出・販売支援(バイウィル) | 省エネ・環境価値 | 創出したクレジットの販売収益を分配。収益分配率は非公開・要見積 | 登録・モニタリング費用を事業者が先行負担。初期費用・月額費用なしの収益分配モデルを掲載 | 2026年10月18日 |
| 企業との共同発明の取扱い(理工学系)(東京科学大学) | 共同開発・事業共創 | 第三者への実施料は権利持分で分配。料率は共同出願契約で定める | 共同出願の出願等費用は企業負担(方式による) | 2026年10月23日 |
| ニコニコ クリエイター奨励プログラム(ドワンゴ) | コンテンツ・収益分配 | プレミアム収益・企業広告収益等を原資とする全体分配と、ギフト等の受取額に応じた分配。計算式・還元率は非公開 | 参加費の記載なし | 2026年10月23日 |
エスエスケイとバイウィルは、確認状態が「一部未確認」の掲載です。
分配率
4件とも、分配率は公開されていないか、個別の契約で決まります。
- エスエスケイ・バイウィルは、分配率が非公開・要見積です。
- 東京科学大学は、第三者から得た実施料を権利の持分で分け、持分は原則として発明者の寄与率に応じて共同出願契約で定めます。割合そのものではなく、割合の決め方が公開されています。
- ドワンゴは、分配の原資(プレミアム収益・企業広告収益等)と、分配の材料(閲覧数・コメント数等の盛り上がり、ギフト等の収益)を公開し、計算式・還元率は非公開です。原資・条件は変更され得ると掲載データの注意点にあります。
受取率・手数料率の形で割合を公開している制度(電子書籍・動画・音楽著作権など)は、割合が受け取る側の取り分か、差し引かれる手数料かで意味が逆になります(コンテンツ・収益分配の確認点、動画プラットフォームの広告・視聴者課金収益分配)。
期間
分配が続く期間は、掲載データでは契約の方式ごとに決まります。
- エスエスケイは、設備・契約方式により契約期間や費用負担が異なり、個別確認です。
- バイウィルは、対象活動、登録方法、モニタリング期間、販売先・価格を確認する項目として挙げています。
- 東京科学大学は、企業が発明を実施しない場合に大学持分を有償で譲渡するなどの選択肢を示しています。
期間の終わり方(満了、解約、権利の譲渡)と、終了後に生まれた収益の扱いも、分配率と同じく契約で確認します。
費用負担
レベニューシェアでは、収益が生まれるまでの費用を誰が負担するかが、分配率と組み合わさって条件になります。
- 事業者側が負担:バイウィルは登録・モニタリング費用を事業者が先行負担し、販売収益を分配する方式です。エスエスケイは成果分配方式で初期費用不要の方式を掲載し、購入・リース等の別方式は別条件です。
- 依頼する側(企業)が負担:東京科学大学の共同発明では、方式により共同出願の出願等費用を企業が負担します。
「初期費用なし」は、書かれている方式・項目の費用がないという意味で、すべての費用がないという意味ではありません(用語集の「0円」)。
契約で確認する項目
- 分配の基礎の定義(売上か利益か、差し引く費用、削減額の比較基準)
- 分配率と、その決め方(固定の割合か、持分・実績などで変わるか)
- 分配の期間と、終了後の収益の扱い
- 収益が生まれるまでの費用の負担者と、方式ごとの違い
- 分配額の計算に使う実績を、誰がどの頻度で報告するか
削減額を基礎にする場合の比較基準は成果を数えやすい業務・数えにくい業務、実施料の決め方はロイヤリティ・使用料の決め方で扱います。各領域の分配の掲載件数は掲載データの集計の「売上・収益の発生」の列にあります。
掲載サービスの条件は確認日時点のものです。契約前に公式情報で最新の条件を確認してください。掲載基準
この記事で取り上げたサービス
4件Perfect ESCO
株式会社エスエスケイ(SSK)- 成果地点
- コスト・工数の削減 導入前後のエネルギー費用削減が確認された場合
- 成果報酬
- 分配率・料金は非公開・要見積
- 初期費用・固定費等
- 成果分配方式では初期費用不要の方式を掲載。購入・リース等の方式は別条件
カーボンクレジット創出・販売支援
株式会社バイウィル- 成果地点
- 売上・収益の発生 創出したクレジットが販売され、販売収益が発生した場合
- 成果報酬
- 収益分配率は非公開・要見積
- 初期費用・固定費等
- 初期費用・月額費用なしの収益分配モデルを掲載。他の提供方式は個別確認
企業との共同発明の取扱い(理工学系)
東京科学大学(研究・産学連携本部)- 成果地点
- 個別に定める成果 共同発明について第三者への実施許諾により実施料が生じたとき、または企業が自己実施するとき(選択した方式による)
- 受け取る報酬・分配
- 料率は記載なし(共同出願契約で定める)
- 初期費用・固定費等
- 共同出願の出願等費用は企業負担(方式による)
ニコニコ クリエイター奨励プログラム
株式会社ドワンゴ(DWANGO Co., Ltd.)- 成果地点
- 売上・収益の発生 作品を申請し、閲覧数・コメント数等の盛り上がり、子作品の盛り上がり、ギフト・ニコニ広告・クリエイターサポートの収益が生じたとき
- 受け取る報酬・分配
- 計算式・還元率は非公開
- 初期費用・固定費等
- 参加費の記載なし。再生数・フォロワー数の参加条件なし
出典
- エスエスケイ Perfect ESCO(公式ページ):https://www.sskinc.jp/service/operation/
- バイウィル カーボンクレジット創出・販売支援(公式ページ):https://www.bywill.co.jp/service/carbon-credit
- 東京科学大学 企業との共同発明の取扱い(理工学系)(公式ページ):https://www.ori.titech.ac.jp/sangaku/ip/ip-rules-out/
- ドワンゴ ニコニコ クリエイター奨励プログラム(公式ページ):https://site.nicovideo.jp/creator_platform/monetize/
解説の記事
記事の一覧-
成功報酬と成果報酬の違い:言葉の使われ方と共通点
成功報酬と成果報酬は、どちらも契約で定めた成果が出たときに発生する報酬を指し、計算方法や別にかかる費用は言葉では決まりません。掲載データの原文で2つの語が使われる領域の違いを数え、言葉より先に確認する項目を整理します。
-
ロイヤリティ・使用料の決め方:料率型・定額型・最低保証と計算の基礎
ロイヤリティ・使用料は、料率型(売上・数量に連動)、定額型(契約一時金・一括払い)、最低保証の組み合わせと、料率を掛ける計算の基礎で決まります。知財・ライセンスと電子出版の掲載の原文から、決め方の違いと料率の公開状況を整理します。
-
成果報酬の上限額と最低報酬:キャップ・ミニマム・最低月額と総額への影響
成果報酬の上限額(キャップ)は計算した報酬の頭打ち、最低報酬(ミニマム)と最低月額は下支えの額です。上限・最低額がかかる単位(1件・1か月・回収額)ごとに、掲載5件の条件と仮の数値で総額への影響を示します。
-
成果報酬の請求のタイミング:発生時・確定時・段階払い・分割払い
成果報酬が請求される時点は、成果の発生時、承認などによる確定時、外部の決定・入金時、着手・中間・成立の段階ごと、成果のあとの分割払いに分かれます。掲載6件の原文から、請求の時点と支払期限の書かれ方、成果の確定までの期間で確認する点を整理します。
-
成果を数えやすい業務・数えにくい業務:成果地点ごとの成果の決まり方
成果報酬の成果は、融資の実行や入社のように記録で決まるもの、順位や削減額のように計測で決まるもの、有効なリードのように案件ごとの合意で決まるものに分かれます。成果地点ごとに掲載データの原文の語を数え、掲載6件の例で確認する項目を整理します。
-
成果報酬のプランを設計するときに決める項目(提供する側向け)
成果報酬のプランを提供する側が決める項目を、成果の定義、単価・料率、上限・下限、計測、請求の時点、対象外と受託の条件、成果報酬以外の費用の7つに分けます。掲載6件が公開している条件から、項目ごとの書き方の例を整理します。
-
紹介パートナー制度を作るときに決める項目(制度を作る側向け)
紹介パートナー制度を作る側が決める項目を、報酬の形、紹介者の条件と対象の取引、成果の確定条件、紹介の記録、支払時期と最低支払額、紹介者に守ってもらう条件の6つに分けます。掲載制度5件の原文から、項目ごとの決め方の例を整理します。
-
成果報酬と返金保証の違い:後払いと先払い+返金
成果報酬は成果が出たあとに支払う後払いの形、返金保証は先に支払った費用を条件を満たしたときに返す先払いの形です。成果が出なかったときの扱い、依頼する側の手続き、返金の条件の違いと、2つを組み合わせた掲載5件の返金規定の例を整理します。
-
成果報酬で依頼するときに社内で整理する項目
成果報酬で依頼するときに社内の稟議・説明のために整理する項目を、成果の定義、想定成果件数と総額の幅、費用の上限、成果報酬以外の費用、契約期間、解約の条件、請求の時点、比較した候補の8つに分けます。掲載4件の条件と仮の数値で総額の幅の示し方を説明します。
-
完全成果報酬とは:成果報酬との違いと見分け方
完全成果報酬は、成果が出たときだけ費用が発生し、初期費用・月額固定費などがかからない料金の形です。成果報酬との違い、掲載データでの初期費用・固定費等の記載の内訳、公式ページで見分けるときに確認する5項目をまとめます。